石見銀山の価値

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大安寺跡

大安寺は、初代の石見銀山奉行であった大久保長安(1545~1613)によって浄土宗の菩提寺として1605年に建てられたお寺です。有能な官僚であり、鉱山に関する知識に長けていた長安は、江戸幕府を開いて日本の統治を行った将軍、徳川家康(1543~1616)が1600年に銀山の支配権を得るとすぐに銀山奉行に指名されました。長安は石見銀山が全盛を迎えるための基礎を築いたと評され、国内の金銀鉱山の多くを監督する役割を担い、豊富な金銀を産しました。

 

大安寺にある長安の墓は、遺体を埋葬するものというよりも記念碑で、69歳で亡くなるよりずっと以前に用意されたものでした。名高い銀山奉行を祀る土地に埋葬されたいと望む人々が多く、墓地はのちにその墓の周りに広げられました。お寺は、昭和18(1943)年まで残っていましたが、大洪水や度重なる山崩れによって建物が破壊されてしまいました。今では長安の墓を含む墓地の一部だけが残っており、銀山川の歩道から石段を登って訪れることができます。