石見銀山の価値

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清水寺
清水寺は真言宗の寺であり、遡ること16世紀後半より始まった石見銀山の歴史において大いに注目される存在です。清水寺は元々、周囲に銀脈の広がる仙ノ山の山腹に位置していて、武将たちからも住民たちからも崇敬の念を集めていました。石見銀山で最も豊かな銀脈の一つを発見した山師安原伝兵衛が、1602年に主脈にたどり着く前にお祈りをした場所が清水寺であったと言われています。将軍徳川家康(1543–1616)から安原が幕府の財源へと貢献したことへの褒美として受け取った華美な道服は清水寺へと奉納されました。道服は今でも寺の所有物ではありますが、重要文化財に指定され現在は京都国立博物館で保管されています。
清水寺は1878年に現在の位置に移転され、その敷地にあった寺は清水寺の本堂として新たに使われることとなりました。この本堂には11の頭を持つ慈悲深い菩薩である十一面観音の金箔像が祀られており、格子状の天井は清水寺へと寄付をした武士や商人たちの家紋で飾られています。清水寺の現在の正門は1931年に設けられたもので、廃れてしまった寺から移されたものです。正門は一対の石像によって守られています。右側には五大明王の1尊で、仏法に敵対することを力ずくで止めさせるという不動明王が、左側には四天王の中でも最高位を占め、福の神である毘沙門天が立っています。
