石見銀山の価値

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温泉津港

温泉津は、日本海の猛烈な波と強烈な北風から身を守る入り江に面しています。水深約20mの入江は、自然の地形に恵まれ、中世には地域の海上交易の中心地となり、1500年代後半には最大の繁栄期を迎えています。戦国武将の毛利氏が、温泉津を石見銀山とその周辺を掌握する拠点とするために、入江に港と海岸の要塞を築いたことにその端を発しています。毛利の目論見は当たり、温泉津はすぐに銀鉱山の主要港として、また中国や朝鮮半島などの遠い国との交易の中心地として栄えました。

 

江戸時代には、日本海沿岸の北前船航路の結節点となり、北海道と瀬戸内海の商都大阪を結び、さらに繁栄を極めました。北前船貿易は、地元の有力一族が海運業に参入し、財を蓄えるきっかけとなりました。1918年に鉄道が開通すると、港の繁栄は衰退し、現在は主に漁港として利用されています。かつての繁栄を示すものはわずかにしか残っていませんが、湾を挟んだ町の端からの眺めは、何世紀にもわたってほとんど変わっていません。