西念寺と温泉津沖泊往還
この付近にそそり立つ岩肌は、西念寺の建立に相当の労力が必要であったことを示唆しています。元々この場所には禅寺がありましたが、1561(永禄4)年、毛利氏が浄土真宗の門徒に与えたのでした。然休という僧侶を中心に、この門徒たちは、毛利氏の助けを借りて、敷地を十分に拡張できるまで、山の大きな岩塊を繰り返し取り除きました。この造成の目的の一つには、毛利氏が主に銀の輸送に使った温泉津から沖泊の港への道を整備することもありました。西念寺のすぐ横に開通した温泉津沖泊往還は、現在も歩くことができます。