石見銀山の価値

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西本寺

西本寺は、何世紀も大森町で最も財産があり、影響力をもっていた熊谷家と関係の深いお寺です。熊谷家は鉱山で財を成しましたが、この地の行政の中心である奉行所で財政、契約、管理業務などの経営にも携わりました。熊谷家はその権勢を1600年代始めに拡大していき、数十年後に浄土真宗のお寺を近隣の出雲地方から現在の場所へ移築させて寺を西本坊、のちに西本寺へと寺号を改めました。1867年に再建された本堂は、熊谷家による西本寺への最後の貢献となりました。西本寺では、木造の山門も重要です。1600年代の始めにまで遡る石見銀山では現存最古の建築物だからです。この門はもともと、江戸時代を通じて石見銀山でもっとも影響力のある宗教的施設であったお寺、龍昌寺の敷地にありました。龍昌寺は1923年の銀山閉山ののち衰えていき、この地方も人口が減少しました。龍昌寺は1961年に廃寺となり、その歴史的価値の高い山門が西本寺に移され、かつての銀山の繁栄を偲ぶものの一つとなっています。