石見銀山の価値

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西田の「ヨズクハデ」

現在は絵のように美しい田園に囲まれた静かな集落となっている西田は、かつて石見銀山と温泉津や沖泊の港とを結ぶ宿場町として、重要な役割を担っていました。銀がこの道に沿って海岸まで運ばれたのは、16世紀後半の40年間のみでしたが、この道は1800年代後半まで、銀山との間の主要な物流経路となっていました。多くの人が行き交ったことで、西田の茶屋、宿場、酒場は繁栄し、定期的に開催される市場は近郊の村に住む人たちを惹きつけました。地元の人々は、商いの神様を祀り、集落の上端近くにある小さな祠「上市恵比寿神社」で、これら市場の繁栄を祈願しました。火災から身を守るための祈りのための「火伏観音」や、通行の安全祈願を願った石仏が、この道に沿って置かれました。

これらすべての信仰の場所が残るとともに、この地域だけで行われる収穫した稲を天日で乾燥させる昔ながらの伝統技法も継承されています。西田ならではのこの風習は、その形がフクロウ(方言ではヨズク)に似ていることから「ヨズクハデ」と呼ばれています。