石見銀山の価値

銀鉱山エリア

大森町並みエリア

街道・山城エリア

港と港町エリア

港と港町エリア

シェア:

金剛院

金剛院は温泉津にある真言宗のお寺です。質素な漁村から石見銀山の物資の供給源となり、港町として栄えた温泉津の変貌を目の当たりにしてきました。寺院の記録によると、千の手を持つ慈悲の菩薩である千手観音菩薩像を安置するための聖域が建てられた1337年に創建されたと伝えます。1561年になると、毛利氏が細長い谷の河口に港と沿岸要塞を築き、銀鉱山の主要な港になる温泉津を開きます。寺院で使われている石の中には、日本海側の更に北に位置する北陸地方、現在の福井県周辺でしか採取できないものもあり、町が最も豊かだったとされる1600代後半よりも1世紀も前に、海岸沿いで海運が盛んだったことが伺えます。1760年再建の本堂裏にある墓地には、この地域でも比較的古い墓石を見ることができます。また、墓地の入り口付近にあって、石の張り出しに囲まれた地蔵菩薩像の下には、周囲の石よりもやや濃い色の石が使われています。丘の中腹のさらに上にある円錐形の墓石は、金剛院の元僧侶の墓です。