石見銀山の価値

龍御前神社は温泉津を代表する神社であり、海と温泉という町の二つの繁栄の源にゆかりのある神々を祀っています。地元の人たちは、古くから海の安全と無病息災を祈願しに訪れています。神社が正式に創建されたのは1532年ですが、それよりずっと以前から崇拝の場として利用されてきました。本殿のすぐ上の崖から突き出ている巨岩が、咆哮する龍として崇敬の対象とされてきたのです。遠い古代では、岩や木などの自然の造詣が神の住処として崇拝されることが多くありました。崖のふもとにあるのは拝殿で、神道の神々を祀る神楽を舞う場所にもなっています。石見神楽は、今もこの地域で大変親しまれている民俗芸能です。毎週土曜日の晩には、拝殿で神楽が上演され、その際には拝殿内に展示されている船などをモチーフにした絵馬を見ることができます。