石見銀山の価値

石見銀山調査研究所

石造物調査

なぜ調査するの?

石見銀山遺跡には墓石や供養塔、その他に記念碑や道しるべ等の数多くの石造物があります。これらの石造物の形状や建てられている場所、建立年代、墓石であれば被葬者を検討することで、

石見銀山の開発に関わった人々の信仰や葬送儀礼、社会の営みや変遷の一端を明らかすることができます。

どんな調査を行っているの?

石造物調査では現地調査を基に分析と研究を行います。

(1)分布調査
遺跡内を歩いて石造物の建立場所や点数を調べます。石造物は寺院の背後や民家の周辺、山の斜面、尾根の上、街道沿いに建てられています。石見銀山遺跡ではこれまで6,000基をこえる石造物が確認されています。

(2)詳細調査
石造物の詳細な観察を行い実測図の作成や写真撮影、拓本などの記録作業を実施し、石造物の形状や変遷、宗派、被葬者を検討します。

(3)分析・研究
個々の石造物の形状変化と刻まれた年号から石造物の変遷を検討し、建立数の増減を明らかにすることで、人口の変化や居住域の変遷が読み取り、景観の復元を目指します。
この調査によって、発掘調査や文献調査では現れない無数の人々の生活を石造物と石造物に刻まれた銘文を検討することで明らかにできます。